お風呂場の換気「窓を開けて」いませんか?

先日、お風呂場のリフォームをさせて頂いたお客様から、お手入れの件で相談を頂きました。
施工完了して一年ほどですが、床から少し上がったコーキング(防水性のために隙間を埋める目地材)の周辺にカビが生えてきたというのです。

施工させて頂いたのは『panasonic』の『オフローラ』という商品。
実はこの商品のメリットの一つは、床の材質と特殊な表面構造による「水捌け」の良さなのです。浴室にはもちろん換気扇も設置されているので、湿気対策は万全。
私も首を捻ってしまいました。

しかし、お客様にいつまでもご不便な思いをさせるわけにはいきません!早速メーカーに問い合わせです。以前、岐阜の多治見に研修に行った際にお世話になったpanasonicの方に相談をしてみました。

すると、意外な事実が判明しました。

換気の方法に問題が…。

結果からお話すると、お客様の換気の方法に問題がありました。
とは言え、これは皆さん「正しい」と思って今でもされている方が多いかと思います。

実は、この記事を書こうと思ったのも、この誤解を皆さんに知ってもらうためです。

『お風呂場の換気をする時は窓を開けてはいけないのです。』

床のコーキングのカビの原因は、窓を開けて換気扇を回していたため換気が不十分になり、湿気が溜まってしまったことだったのです。

窓を開けてはいけない理由

  • 換気扇の容量に対し、空気の吸入口が大きすぎると全体の空気が循環しない。
  • 換気扇付近の浴室上部の空気が流れるだけで、低い位置の空気が流れなくなる。
  • 窓を開けると、外気の含む湿気を吸ってしまう。

換気の基本は、部屋全体の空気を回すことが重要になります。

一見すると、窓を開ければ空気の流れが促進されるように思われますが、換気扇が輩出する空気の容量に対し入ってくる空気が多すぎるため局部的に速い空気の流れができるだけで、全体の空気を回すことができなくなります。

窓の上の方の空気ばかりを吸い込んで、お風呂場の一部の空間だけに偏った空気の流れができ、その結果、いつまでたってもお風呂場の床が乾かない、ということになるわけです。

ちなみに室内側のドアを開けてもいけません。
同じ理由で空気の流れが偏り、さらには室内にお風呂場の湿った空気が漏れ出てしまいます。

窓を閉めて換気扇を回せば、お風呂場全体をくまなく換気できるのです。

今後も耳寄り情報をお届けします

お客様にメーカーからの回答をお伝えしたところ、やはり驚かれていました。
また、わざわざメーカーに問い合わせしてくれたことについても労いを頂き、問題が解決したことにお喜び頂けました。

お客様のご相談が、私の今後の糧となり、ひいては未来のお客様に対してのお役立ち情報に繋がりました。こちらをご覧頂いた方にも耳寄りな情報になったかと思います。

皆様も、今後は窓を閉めて換気して頂くよう、お願い致します。