来週の月曜日は『敬老の日』ですね。
お勤めの方は今週末からの連休で、おじいちゃんおばあちゃん孝行される方も多いかと思います。

この豊かな時代を切り開いてくださったお年寄りに、日頃はなかなか伝えられない感謝の気持ちを伝えられる良い日ですね。

今日は私が小さな頃からお世話になっているM様のお宅のお話です。

M様は自身も80代になられるご高齢でいらっしゃいますが、甲斐甲斐しく奥様を介護されています。
お食事や入浴など毎日の身の回りのお世話は、たとえ夫婦と言えど簡単にできるものではありません。
就寝時のベッドの昇り降りや、入浴補助は専門家ですら大変な重労働です。

日頃から心配ではありましたが、洗濯機の修理にお伺いした際、お風呂場を見て愕然としました。
これは私が何とかしなければなりません。

お年寄りに優しくない浴室

M様のお宅は築50年。当然お風呂も昔ながらの作りです。
異常のない状況でも、昔のつくりのお風呂は決してお年寄りには優しくありません。

• 段差のある脱衣所。
• 冷たくて滑るタイル貼りの床。
• 縁が高く底の深い、跨ぐのが大変な浴槽。

一人でも不便なこの環境は、介護をするとなればそのまま障害となります。
しかも、M様のお宅は水漏れによって床が腐食している状況でした。

完全に腐っています。
そのままにしておけばいつ抜けてもおかしくない状態です。そして、これからの季節は冷気が隙間から入ってきます。お二人とも高齢です。居間との温度差によるヒートショックの心配もあります。

絶対にリフォームが必要な状況。でも当然お金が必要です。私は考えました。

『リフォーム補助制度』の利用検討

今、御宿町では『リフォーム補助制度』を実施しています。
町が予算を設けて、特定条件を満たすリフォーム費用の一部に助成金が出る制度です。

これを利用しない手はありません。早速、町役場に向かいました。

ところが、役場で事情を聞いたところ、介護認定を受けている家は補助制度の対象外であることがわかりました。恐らくは介護認定による他の補助との兼ね合いによるものなのでしょう。

でも…、「何とかしたい！」

「足を伸ばしてお風呂に入りたい。」
「これから先、出来る限り（奥様を）お風呂に入れてやりたい。」

そんな御主人のささやかな、でも切実な願い。絶対に叶えたい。こんなところで諦められません。
私は「何か他の制度が利用出来ないか」役場の職員の方に食い下がりました。

すると、御主人の介護保険の住宅改修補助額が残っていることがわかりました。
お風呂本体には補助が出ませんが、床の改修工事に対しては補助を出してもらえることになりました。

リフォーム着工

役場の皆さんの知恵をお借りして、なんとかリフォームが実現できるようになりました。
ここから先は私の仕事です。俄然、力が湧いてきました。

まずは古い浴槽の撤去です。

昔の浴槽は本当に深い。
横に湯沸かし釜を置いて使うことを想定しているせいで、その分幅は狭いのです。当然ひざを抱えて入るようになります。これでは若い人でもまたいで入るのは一苦労ですし、ゆったりできません。

一方、交換後の浴槽はこちら。

縁はかなり浅くなり、幅も広くなりました。これなら足も伸ばせます。
奥様にもゆったりして頂きたいのは勿論ですが、御主人の負担も少しでも軽くしたかったのです。

水栓は操作が簡単でシンプルなものに、ハンドルも手に冷たくない樹脂製のものです。

床もタイルから樹脂製に変更しました。水捌けがよく滑らないようにできています。何より冷たくありません。ヒートショックの心配もなくなります。本当に良かった！

また、今回は予算を最小限にするため、まだ利用できる石油ボイラーはそのまま使うことにしましたが、配管の腐食も始まっていたので全て交換。
そして、入り口の状況から根太（床板を支えるため、床の下に渡す横木）が腐っている事も考え、床は一度解体し補強しました。

また後々に色々とお金がかかったのでは申し訳ないですから…。

後日談

大掛かりな内容でしたので、御主人が「大変だったね…。」と労いの言葉をかけてくださいました。
そんなお言葉を頂ければ、ひとつも大変なことなんてありません。

リフォームが完了して二週間ほど後、ご様子を見に伺いました。とても綺麗に使って頂いて、お風呂はまだピカピカの状態です。
「毎日、出る時にスポンジで洗ってるよ」と本当に嬉しそうな笑顔で仰ってました。

「本当によかった…。」いつもお客様にこんな笑顔を見せて頂くと、しみじみとそう思うのです。

『パナクレールシーズあきば』では、行政の制度も利用した各種リフォームも承っております。
なるべく低い予算で、最高のリフォームをかたちにします。是非お気軽にご相談ください。